Z会通信教育の先生

zkai やってみた

ずいぶん前になりますが、Z会の添削の仕事をしたことがあります。10年ちょっと続けました。

私が担当したのは、Z会の<中高一貫コース> 中2英語です。中学英語なんて簡単!と侮っていましたが、基本が大事。これがモチベーションとなって、改めて英語を勉強し直すことになりました。

ここでは、Z会の通信教育の添削者について説明します。

Z会通信教育の添削者とは

Z会とは

まずはZ会の通信教育について簡単に説明します。

昔は、Z会といえば、東大、京大のような難関大学をめざす高校生が受講しているイメージでした。その後、中学コースができ、今では小学生、幼児のコースもあります。

「Z会の問題は良問が多い」と言われています。このような長い実績から積み上げられてきたものでしょう。難易度は高く、学校の勉強では物足りないという生徒には最適です。

同じような通信教育にベネッセの<こどもちゃれんじ>や<進研ゼミ>もあります。こちらは簡単な内容で取っつきやすく、基本だけはしっかり押さえたいという生徒向きです。

さて、ここからは、その通信教育の先生、つまり、お仕事としてのZ会の添削者について説明していきます。

Z会が募集している在宅の仕事

Z会が募集している職種は次の3種類です。

(1) 教科専任制の添削者
(2) 担任指導者制の添削者
(3) 模試答案採点者

報酬はいずれも出来高制です。簡単なパソコン操作必須。日本在住者のみです。募集があるときはホームページから応募できます。募集は不定期ですが、メール登録すれば、採用募集があるときに知らせてくれます。

それぞれの職種について見ていきます。

教科専任制の添削者

<仕事内容> 
答案の添削指導(小学生~高校生)

<教科> 
以下の科目の中から1教科を担当。

  • 英語
  • 算数(数学)
  • 国語
  • 理科(物理・化学・生物)
  • 社会(日本史・世界史・地理)
  • 作文・小論文
  • 総合・公立中高一貫校適性検査
  • 短大卒以上(学生不可・大学院生可)
  • 手書き添削またはデジタル添削(コースによる)
  • 応募時に教科は選べるが、レベルは試験結果からZ会が指定
  • 自己都合の休みはとれる

得意科目がある人におススメ。

私は中高一貫コースの中2英語を担当しました。

指導経験がなくても、添削基準やマニュアルがあるから大丈夫。

担任指導者制の添削者

<仕事内容> 
1年を通して同じ会員の指導(幼児・小学生)

<担当する対象と指導内容>

  • 幼児…会員がかいた絵の講評指導
  • 小学1・2年生…国語・算数・経験(絵と作文)
  • 小学3~6年生…国語・算数・理科・社会・英語(英語は5・6年のみ)
  • 短大卒以上(学生不可)
  • 担当制のため、1年間継続できること
  • 担当学年の全教科を受け持つ
  • 月50~60時間程度の業務
  • 自己都合の休みはとれない。(ただし期日が守れれば、毎日業務をする必要なし)

育児中の人、子どもが好きな人におススメ。

子どもの成長のお手伝いをする仕事です。

業務が始まる前に研修があるから安心。

模試答案採点者

<仕事内容> 
模試答案の採点指導(小学~高1)

<教科> 
英語・数学・国語(・作文)・理科・社会から、主に1教科

  • 短大卒以上、および現役の大学生・大学院生
  • パソコンを使った採点業務
  • 通年ではなく繁忙期に集中
  • 業務依頼当日の25:00までに採点完了させる
  • 自己都合の休みはとれる

仕事はいつもあるわけではありません。

指導欄の記入がなくて楽だけど、単価は安いです。

添削者のメリット・デメリット

メリット

一番のメリットは在宅ですきま時間に仕事ができること。育児や介護などで、外で働くことができない人にはぴったりです。場所をとらないので、空いた時間に広げて作業し、家事をする時はサクッと片付けてしまえば大丈夫。

会員は小中高校生です。がんばっている答案もあれば、やる気のない答案も。どこか褒めるポイントを探して、指導欄でやり取りをします。モチベーションを上げてあげることも大事な仕事です。

これは自身の育児経験が役に立ちます。また、生徒の良いところに目を向けることは、自分の育児にも自分にもプラスになります。

  • 在宅ですきま時間に仕事ができる
  • 他の内職に比べて、場所をとらない
  • 子育て経験が役に立つ・子育てに役に立つ
  • 自分の勉強になる

デメリット

作業のわりに単価はあまり高くありません。また、自分の希望で仕事を増やせるわけではないので、収入はお小遣い程度にしかなりません。

いくら時間の融通がつくからといって、納期は絶対に守らなければなりません。時間の管理が必須です。

  • 単価が安く、稼げない
  • 時間の管理を自分でする必要がある

添削者の向き・不向き

明らかに向き・不向きのある仕事です。ざっくりまとめるとこんな感じ。

添削者に向いている人

  • 外で働けないが、家にいて隙間時間がある人
  • 少ない収入でもいいと思える人
  • 生徒の気持ちを推し量れる人
  • 地道な作業が苦にならない人
  • 納期や品質を守れる人

添削者に向いていない人

  • 自由な時間がいっぱいある人
  • 稼ぎたい人
  • 細かい作業が苦手な人
  • 納期を守れない人

Z会の添削者になるには

どの職種に応募するにしても、1次~3次試験まであり、合格後は在宅研修があります。

<教科専任制の添削者の場合>

  • 1次選考 書類選考
  • 2次選考 教科試験
  • 3次選考 模擬添削試験

<担任指導者制の添削者の場合>

  • 1次選考 書類選考
  • 2次選考 筆記試験・模擬添削試験
  • 3次選考 模擬添削試験・模擬講評試験・定期面談試験

募集人数にもよりますが、試験に落ちたという話はよく聞きます。落ちると落ち込んでしまうものです。でもあまり気にしないほうが良いです。隙間時間にできる、ちょっと知的な仕事ですが、「なんとしてもやらなければ!」というほどの仕事ではありません。ほかの仕事を探せばよいだけです。

添削者の仕事

私の場合は、教科専任制で、中高一貫コースの中2英語を担当していました。手書き添削でした。

スケジュールは前もって決められていて、だいたい2週間に1回くらいのペース。1回の答案は20人くらいでした。繁忙期は毎週のこともあります。

休みはとれるとのことでしたが、ほとんど取りませんでした。信用をなくしたくなかったからです。Z会のスケジュールに自分が合わせて計画を立てれば問題ありません。

生徒の答案が届いてから、4日くらいで仕上げる感じ。教科の添削基準やマニュアルが充実しているので心配はいりません。

ただ、皆が皆、わかりやすい間違いをするわけではありません。悩ましい答えを書いてくる生徒もいます。そんな時はどうしてそういう答えに行きついたのかを考えなければいけません。

一番大変だったのは、全部添削し終わった後に書く「指導者からのコメント(指導欄)」です。生徒の「感想」への返信だとまだ書きやすいのですが、なんの感想も質問もない場合、ひねり出すのが本当に大変。

弱点を指摘するのは簡単ですが、やる気を持たせ、次につなげていくために、できるだけ生徒の良い面をほめてあげようと思うと、なかなか難しいです。

教科専任制(中高一貫コースの中2英語)の例

  • 答案が送られてくる頻度: 2週間に1回
  • 送られてくる答案の枚数: 約20人分
  • 答案提出までの日数: 4~5日
  • 指導者からのコメント(指導欄)を考えるのが大変

この仕事で得られたこと

単価としては1枚、数百円。外で働く時給に比べれば、微々たるものです。収入だけで考えると、ばかばかしくてできないと思います。ただ、お金以外に得られるものもたくさんありました。

たとえば「指導者からのコメント(指導欄)」ですが、言いたいことを限られた長さで書く練習になりました。また、人の長所に目を向けるのは、人間関係にもいい影響があるように思います。

在宅で、自由な時間に仕事をするということは、楽なように思えるかもしれません。でも納期を守ること、品質を保つことは絶対です。慣れるまでは大変ですが、仕事を続けるうちに自己管理能力が身につきます。

品質を保つためには勉強が必要です。これをきっかけに、一生の学びとして、自分も英語を勉強し続けることになりました。

  • 作文の力がつく
  • 人の長所に目を向けるようになる
  • 自己管理能力が身につく
  • 自分の勉強のモチベーションになる